2006年04月15日

近未来SF(3)(オススメです)



20XX年、人類は文明の進歩による栄華を謳歌していた。遺伝子科学の発達によりほとんどの人間は完全なる容姿と高い知能を手に入れ、ロボット工学の改良により労働することなく高い水準の生活を実現していたのである。いわば一人一人の人間が生まれながらにして夢をかなえた人生の主役となっていたのであった。一方、この現実に反発する勢力が地下組織として脈々と活動を続けていたのである。その組織こそ「ワキ役解放戦線」であった。今日も古いビルの地下室、湿り気をおびた壁に囲まれた部屋で組織の新メンバーの面接が行われていた。



委員長:・・それでは一人ずつ自己紹介と今までの活動歴を教えてもらおうか。



A:俺の名前はジムだ。昔は盗賊の一味で、ある宝物を盗掘していたときに「へっへへ、何も仕掛けは無いようですぜボス。お宝はいただきギャーッ!」と俺だけトラップにかかったことがあるぜ。



委員長:ほう、それはかなりの猛者だな。よかろう、組織は君をメンバーとして認めよう。



B:僕はケンと言います。高校野球である新人ピッチャーにキリキリ舞いさせられた後でベンチに戻って「おい、今のボールって本当にひとつだったよな?」と聞いたことがあります。



委員長:文句なしだ、合格。



C:俺はリュー。買ったばかりのスポーツカーを停めて公衆電話から彼女をドライブに誘う電話をしていたときに犯人を追跡する探偵に「ちょっと借りるよ!」と乗っていかれたことがあるんだ。



委員長:これは頼もしい。君も合格だよ。



D:オイラはヤスと言います。ある腕の立つ侍が宿場町の悪党共を一掃した後、「旦那、これでこの宿場も平和になりやすね・・?あれ?旦那、おーい、待ってくださいよー!」とピョンピョン飛びはねながら追っかけたことがありやす。



委員長:すばらしい、もちろん合格だ。



E:私はナオミ。タレントのオーディションに行ったときに私のつきそいで来ていた友達がスカウトされてデビューしたわ。



委員長:合格!君は幹部候補だよ。執行部に入って存分に手腕を発揮してくれたまえ。さあ、それでは最後に私の自己紹介をしておこう。私はこの組織の発起人であり委員長のサイモンだ。・・・僕の活動歴?大したものはないが、しいて言えば「覚えてやがれ!」と言って逃げるときにゴミ箱につまずいて転んだのはこの僕が初めてなんじゃないかな。



一同:おおー!








posted by 鈍ツウ at 11:13| Comment(2) | TrackBack(0) | オススメ記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも楽しく拝見させて頂いております。ちなみに僕は<br />
「もう結構です。部長の考えはよく分かりました」と言って上司に見切りをつけ、<br />
猛然と立ち去ろうとしたヒロインにぶつかって書類をぶちまけたことがあります。
Posted by スミキ at 2006年04月16日 17:05
こんばんわ、スミキ様。<br />
<br />
どうもありがとうございます。最近は時間が無くてなかなか更新できないのですが、こうした声援があればがんばってネタを考えようと思います。僕って単純!(注:中年です)<br />
<br />
>ヒロインにぶつかって書類をぶちまけたことがあります。 <br />
<br />
合格。君のような人材を探していたのだよ。<br />
<br />
さあ、みんなも「ワキ役」だったことがあるだろう?カミングアウトするんだ。<br />
Posted by 鈍ツウ at 2006年04月17日 01:23
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。